2024.10.31
インプラント治療後の出血はどのくらいなら正常?歯科医院に相談するべき基準

インプラント治療は、失った歯を補うための治療方法として、近年多くの人が注目している治療です。外科手術を行うことで人工歯根を顎骨に埋め込む治療で、しっかり固定されるので安定性にすぐれていますが、インプラントは治療後のケアが非常に重要です。インプラント治療後の症状として、出血はよく見られる症状の一つですが、どれくらいの出血が正常で、どのような場合に異常なのかを知っておくことは、トラブルに早い段階で気づき早期に対応するために非常に大切です。
出血が続くと不安になってしまうかもしれませんが、実は一定の範囲内であれば問題ありません。本記事では、インプラント治療後の出血について、正常な出血量の範囲や、歯科医院に行くべき出血のサイン、対処法などを詳しく解説していきます。
■インプラント治療後の正常な出血量とは?
インプラント治療後、患部から出血がみられるのは一般的な症状です。通常、治療直後から数時間にかけて、少量の出血が見られることがあります。これは、インプラントを顎骨に埋め込む際に骨や歯茎が損傷するためです。しかし、出血が正常な範囲内であれば自然に止まることがほとんどです。
次のような場合は、正常な出血量の範囲と考えられます。
✔️治療後の2〜3日間、ガーゼなどを噛んだ際にわずかな血が滲む。
✔️血が混じった唾液が出る。その色は薄いピンク色をしている。
✔️主に夜間や朝に唾液にわずかに血が混じることがある。
このような出血の場合は、術後に体が自然に回復している過程であり、心配する必要はありません。
■治療後に出血が起こる理由
インプラント治療は、人工歯根を埋め込むために外科手術が行われ、歯茎や骨にダメージが与えられます。このダメージにより、一時的に自然な出血を引き起こすのです。出血があると過剰に心配になってしまう人もいるかもしれませんが、治癒の過程のひとつです。出血をすることは、血液を通じて栄養素を供給し感染を防ぐための正常な反応でもあります。また、インプラントを支えている骨の状態や歯茎の健康状態も出血量に影響を与えることがあります。例えば、歯周病などがある患者様の場合、出血量が多くなることがあります。年齢や全身の健康状態も治癒能力に影響を与えるため、出血量には個人差があることも覚えておきましょう。
■歯科医院にかかるべき異常な出血量のサイン
治療後の出血は一般的な症状ではありますが、異常な出血の場合は早急に対応する必要があります。次のようなサインが見られる場合は、速やかに歯科医院を受診しましょう。
①大量の出血が続いている
何時間も大量の血が出続ける場合やガーゼを交換しても出血が止まらない場合
②血の色が鮮明な赤色である
薄いピンク色ではなく真っ赤な色の血が大量に出る場合。動脈や大きな血管からの出血の可能性があります。
③出血が長時間続いている
24時間以上経過しても出血が止まらない場合や、出血が治まる気配がない場合
④強い痛みや腫れが伴う出血をしている
出血と共に強い痛みや異常な腫れがある場合、感染や炎症を引き起こしている可能性があります。
⑤血に膿のような分泌物が混じっている
血に膿などの分泌物が混じっている場合は、感染症が起こっている可能性があります。
上記のような症状が出てしまった際は、早めに歯科医院に相談しましょう。
■止血のためにできること
インプラント治療後の出血を抑えるために、おうちでできるケアを覚えておくことも大切です。これらの対処法をしっかり行うことで、出血をコントロールし安心感にもつながります。
・圧迫止血
出血が止まらない場合にまず最初に試すべき対処方法は、圧迫止血です。清潔なガーゼを患部に当ててしっかりと噛みましょう。圧迫することで血液が凝固しやすくなり、自然に出血が止まります。ガーゼは少なくとも20〜30分間噛み続けるようにしましょう。
・安静とアイシング
手術後の出血を抑えるためには安静にしておくことも重要です。激しい運動や入浴、顔を下に向ける姿勢などは避け、リラックスした状態で過ごすことで出血を防ぐことができます。血行を促す行為は治療後1週間は避けるのがのぞましいです。さらに、術後に患部を優しく冷やすことで腫れを抑えて出血を減らす効果も期待できます。冷却パックなどを使用し、外側から15〜20分ほど冷やしてみましょう。
■出血が収まらない時の対処方法
歯科医院に行くまでの間、出血が続いている場合には、以下のような対処法を行いましょう。症状を一時的に緩和できます。
・ガーゼをしっかり噛む
圧迫止血を行いしっかりと止血をする
・頭を高く保つ
血流を抑えるために寝るときには枕を高くして頭を上げた状態で横になる
・冷却を続ける
冷たいタオルや冷却パックを外からあてて患部を冷やし続ける
上記の対処法を行えば出血が一時的に抑えられることがありますが、治っても放置せずに歯科医師の診察を受けるのがおすすめです。
■インプラントの治療中に出血や痛みはある?
手術中に出血はみられますが、局所麻酔がきいているので痛みはほとんど感じません。治療中の不安感が強い方にはセデーション法をおすすめしております。全身麻酔とは異なりますが、うとうとと深い眠気に襲われているような状態になり、体も心もリラックスして治療を行うことができます。
■治療に対する不安がある場合はあらかじめ相談しておこう
出血量をはじめ、痛みや腫れ、副作用などのインプラント治療に関する不安がある方は治療をはじめる前、カウンセリングや治療計画の段階でしっかり相談しておきましょう。不安なまま治療をはじめてしまうと治療中も心が落ち着かなくなってしまい、最悪の場合治療後に理想とのギャップができてしまうこともあります。カウンセリングでは治療期間や治療の費用、治療後の生活のイメージなどいろいろなことを詳しく聞いておくと良いでしょう。インプラント治療は自費診療なので費用は高額になりますが、医療費控除を活用することで経済的な負担を抑えることができます。医療費控除を活用したい方はあらかじめ歯科医師に相談しておくとスムーズです。
■当院のインプラント治療
当院では徹底した衛生管理のもと、設備をしっかり整えてインプラント治療を行っております。また、手術当日に歯が入る即時荷重インプラントも行っております。治療期間は8〜10週間程度で、一般的なインプラント治療よりも治療期間も通院の回数も短くなります。インプラント治療は手術を伴う大きな治療なので、はじめての方は躊躇してしまうかもしれませんが、当院はそういった患者様の不安やお悩みにもしっかり寄り添い、お一人お一人にあった治療をご提案させていただきます。
当院のインプラント治療に関する詳細はこちら▼
https://www.shin-dental.jp/implant
■まとめ
インプラント治療後の出血は、外科手術を行う上での治癒過程なのである程度は避けられないものです。しかし、正常な範囲内の出血であれば心配はありません。適切なケアを行うことで、出血を抑え、治癒を促進することができます。異常な出血やその他の体の異常が見られる場合には、感染を引き起こしている可能性もあるので速やかに歯科医院に相談することが重要です。
自宅での冷静なケアと歯科医師の専門的なサポートを併用して、インプラント治療を成功させましょう。
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