2023.11.17
インプラント治療に副作用はある? 起こりうるリスク
こんにちは!福島県いわき市にある「しんデンタルクリニック」です。
インプラント治療はほかの歯科治療よりも負荷のかかる治療なので「副作用はどんなものがあるの?」と不安に感じる人も多いと思います。この記事ではインプラント治療の副作用やリスクを解説します。
■インプラント治療に副作用はある?
インプラント治療を行うことで必ず起こるトラブルというものはないため、インプラントの処置による副作用は根本的にはないと考えて大丈夫です。しかし、治療に伴うリスクは存在します。
簡単に言ってしまえば歯科医師の経験や技量、処置を受ける歯科医院の環境が整っているかどうかなどによってもリスクのパーセンテージが変わってきます。CTやレントゲンをはじめ、処置を行うための機械が院内にそろっていれば成功率も上がりますし、歯科医師の経験や技量が高ければ手術に伴うリスクを回避できる可能性も高くなります。
■インプラント治療という処置の概要
インプラント治療は歯周病や虫歯、事故などが原因で抜歯を行い自分の歯を失った箇所の顎骨に、人工歯根(インプラント体)を埋入し、アバットメント(インプラント体と上部構造とをつなぐ結合部)を差して人工歯(上部構造)を被せる処置をいいます。人工歯根で用いられるのは、骨と結合しやすく生体親和性が高いチタン製、被せ物(人工歯)には、審美性および強度の高いジルコニアやセラミックが用いられることが多いです。
インプラント治療の流れはおおまかに「手術前」「手術中」「手術後」の3つにわけられます。
①手術前
相談(カウンセリング)、検査および診断
②手術
インプラント体埋入手術、治癒期間
③手術後
人工歯装着、メンテナンス
まずは歯肉を切開し、顎骨に穴を開けてインプラント体を埋入し縫合します。ここまでが一次手術と呼ばれます。 時間を置いてインプラント体と骨が結合したかどうかを確認できたら、二次手術が行われます。その後、再度歯肉を開いて人工歯根と人工歯を繋ぐためのアバットメントを入れます。
傷が治るのを待ち、型取りをした後で人工歯を装着すれば治療は完了です。インプラント体と骨の結合を待つ期間があるため、
治療期間は、およそ3ヶ月〜1年と長期に及び、個人差があります。
■起こりうるインプラント治療のリスク
インプラント治療はブリッジや入れ歯のように健康的な歯に影響がないという大きなメリットがありますが、同時にデメリットへの理解も必要です。インプラント治療では下記のようなリスクがあることを覚えておきましょう。
①骨とインプラント体が結合しない
顎骨の量が十分かどうかは手術前のCT検査でしっかり確認が行われますが、稀に顎の骨の質が悪い場合があり、インプラント体と結合しない状態になることがあります。
また、インプラント体を埋め込む際は、注水しながらドリルを使用していきますが、水の量が少ないとオーバーヒートという現象が起こります。これは簡単に言うと骨がやけどした状態です。こうなるとインプラント体と骨が結合されない原因になります。
②手術後の内出血や腫れ
内出血や腫れは顎の骨の量が少ない方に起こりやすい症状です。顎の骨の量が少ないとインプラントを希望してもすぐに治療を行うことができません。先に顎の骨の量を増やす処置をしてからインプラント治療を行います。内出血や腫れは、インプラントの手術よりも顎の骨の量が少ない方が厚みを出すために増骨する処置を行う場合に起こりやすいといわれています。
③神経を傷つけたことによる麻痺
上顎には、上顎洞という穴があり、下顎の骨には血管や神経が通っている下顎管が存在します。
CTでこの位置をしっかり把握したうえで、避けて埋め込む手術が行われますが、あやまってその箇所に穴を開けてしまうと、動脈や静脈が損傷し、過大な出血や痛みを生じるほか、神経を傷つけることによる麻痺が起こるリスクがあります。術前の精密検査(CT撮影)で避けるべき位置を歯科医師がしっかり確認しますが、万が一神経が損傷して麻痺が起きてしまったら神経を回復するためにすぐにビタミンB12やステロイドホルモンなどの投薬治療を行います。
④歯周病に感染して抜け落ちる
インプラント治療では虫歯の心配はありませんが、「インプラント周囲炎」という言葉があるほど、歯周病感染には気をつける必要があります。
インプラント周囲炎は、歯磨きが不十分だったり術後のメンテナンスが行き届いていないことにより歯垢や歯石が蓄積され、インプラントの周囲で歯肉の炎症が起きてしまう症状をさします。インプラント周囲炎になって進行してしまうとインプラントを支えている顎の骨が溶けてしまい、インプラント埋入部分が固定されず、脱落を起こしてしまいます。
■まとめ
インプラント治療は得られる効果も大きいですがリスクもあることをしっかり把握しておきましょう。
カテゴリ |インプラント|ブログ
-
40歳を過ぎた患者さまへ
- 歯を失う最大の原因
- 噛み合わせ不良で起こる
負の連鎖 - 歯と健康の関係性
- 定期的な検診はあなたを守る