インプラントを使用した入れ歯について

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2024.05.17

インプラントを使用した入れ歯について

こんにちは!福島県いわき市にある「しんデンタルクリニック」です。

総入れ歯を使用している方の中には、「食事中にずれてしまう」「痛みや違和感がある」などの問題を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。通常の総入れ歯は、噛む力を歯肉(粘膜)だけで支えているため、このような問題が起こりうるのです。また、お口の状態が変化することで、入れ歯がフィットしなくなってしまうことも多くあります。

このような悩みに対応するために、インプラントを使用した「オーバーデンチャー」という治療法があります。この記事では、オーバーデンチャーの特徴やメリット・デメリットを紹介していきます。

■オーバーデンチャーとは

オーバーデンチャーとは、顎の骨に埋め込んだインプラントに入れ歯を固定する治療法です。インプラントにアタッチメントの役割をする部品を取り付け、連結させることから、別名「アタッチメント義歯」とも言われています。インプラントに入れ歯がしっかりと固定されることで、食事中や喋った時にずれてしまうということが起こりにくくなります。そのため、「入れ歯がずれやすい」、「入れ歯を使っていると痛い」、「入れ歯でしっかり噛めない」などのお悩みがある方におすすめの治療法です。

■オーバーデンチャーとその他の治療の違い

歯を失った場合、オーバーデンチャー以外にも、インプラント治療や入れ歯など選択肢はいくつかあります。オーバーデンチャーとの治療の違いについて紹介します。

*オーバーデンチャーとインプラント治療の違い

通常のインプラント治療の場合、顎の骨にインプラント体を埋め込み、アバットメント(インプラント体と人工歯の連結部分)を取り付け、上から人工歯で蓋をするため患者様自身では、取り外しはできません。

それに対して、オーバーデンチャーは、インプラントの先端部分に入れ歯を差し込むような仕組みになっているため、取り外しが可能です。また、インプラントを埋め込む本数も比較的少なく済む点も特徴の1つです。通常、上顎または下顎に2~6本程取り付けることが多いです。

*オーバーデンチャーと入れ歯の違い

通常の入れ歯は、総入れ歯の場合歯肉のみで噛む力を支えていますが、オーバーデンチャーはインプラントが噛む力をしっかりと支えています。費用の面では、通常の入れ歯は保険診療で作製することもできますが、オーバーデンチャーは自費診療のみ適応しています。保険診療の入れ歯を選択すれば、費用の面では通常の入れ歯の方が価格を抑えることができます。しかし、保険診療の入れ歯は最低限の機能回復を目的としており、使用感の悪さや、違和感、痛みを感じてしまう場合も多いです。

■オーバーデンチャーのメリット

オーバーデンチャーは、インプラントにしっかりと固定することができるため、総入れ歯のデメリットをカバーするさまざまなメリットがあります。

  1. 安定感がある

総入れ歯は歯肉に吸着させ、噛む力を支えているため、食事や会話をすると外れてしまったり、ずれてしまうことがあります。その点、オーバーデンチャーは、インプラントが噛む力を支えているため安定感があります。しっかり噛むことができるので、食事もしやすくなります。

  1. 入れ歯が合わなくなる心配が少ない

総入れ歯は歯肉で噛む力を支えているため、歯肉に負担がかかり、骨が痩せてしまいます。骨が痩せることで、入れ歯がフィットせず、ずれや痛みを感じることへと繋がるのです。オーバーデンチャーは、歯肉への負担が少ないため、入れ歯が合わなくなる心配がありません。

  1. 取り外しが簡単で衛生的

インプラント治療は固定式のため取り外しができず清掃が不十分になることも多いです。しかし、オーバーデンチャーの場合、取り外しができるため清掃がしやすく衛生的です。インプラント周辺は、汚れが溜まると炎症を起こしやすいため毎日の丁寧なセルフケアが重要です。

  1. 違和感が少ない

オーバーデンチャーで使用する入れ歯は、通常の入れ歯のみの治療に比べて小さく作ることができます。その反面、特に保険診療の入れ歯は、使用する材質が決まっており、薄く作ることができません。大きな入れ歯をお口の中に入れると、違和感を強く感じる方もいらっしゃいます。入れ歯は毎日お口に入れるものなので、そういった面でも慎重に治療を選択したいですね。

■オーバーデンチャーのデメリット

オーバーデンチャーは以下のようなデメリットもあります。

  1. 費用と身体への負担がかかる

入れ歯と比べてインプラントを埋入するための外科手術が必要となり、費用と身体への負担が増えます。外科手術を伴うため、持病がある方や喫煙をする方など、治療を受けられない可能性がある方もいらっしゃいます。まずは、1度歯科医院にてご相談ください。

  1. 清掃の手間が増える

入れ歯とインプラント、それぞれに清掃する必要があり手間が増えます。

■お手入れとメンテナンスについて

オーバーデンチャーを使用する場合、入れ歯自体とインプラント周辺の日々のお手入れが必須です。また、それと併せて歯科医院での定期的なメンテナンスが重要です。

*オーバーデンチャーのお手入れ

オーバーデンチャーは取り外しができるため、入れ歯専用の歯ブラシを使用し、毎日お手入れしましょう。汚れがひどい場合は、入れ歯洗浄剤を使用してください。就寝時に取り外す場合は、必ず入れ歯専用の保存液に入れて保管しましょう。外して置きっぱなしにすると、乾燥して変形やひび割れなどに繋がります。

*インプラント周辺の清掃

入れ歯を固定するインプラントの先端部分の周辺は、入念に清掃する必要があります。普通の歯ブラシを使用して大丈夫ですが、歯肉を傷つけないように、柔らかめのものを選ぶようにしましょう。

インプラント周辺の清掃を怠ってしまうと、インプラント周囲炎になるリスクが高まります。インプラント周囲炎は、インプラントの周辺が歯周病に感染した状態です。進行すると骨吸収が進み、インプラントの摘出が必要にもなりかねないので、丁寧な清掃を心がけましょう。

*歯科医院でのメンテナンス

日々のお手入れと併せて、歯科医院での定期的なメンテナンスも必須です。

具体的には、定期検診や歯科衛生士などの専門家によるクリーニング(PMTC)を行います。定期検診では、インプラントを埋入した部分だけでなく、お口の中の全体像を検査することができ、トラブルを未然に防ぐことができます。PMTCは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科医師や歯科衛生士などの専門家が、専門の機械とフッ素入りの研磨剤を使ってクリーニングをしていきます。ご自身では取り切れない汚れをきれいに落とし、歯の表面をツルツルに磨くことで汚れの付きにくい歯に仕上げていきます。

■まとめ

インプラントを使用した入れ歯、オーバーデンチャーについてご紹介しました。オーバーデンチャーは、総入れ歯で感じやすい、ずれる、痛みがあるなどの悩みを解決できる治療法です。歯を失ってしまった時にオーバーデンチャーやインプラントについて興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。